
こんにちは、経営者の皆さん。今日は多くの中小企業が直面している「下請けからの脱却」というテーマについてお話しします。長年下請け企業として安定した仕事を受けてきた企業が、次のステージに進むために最も重要なことは何でしょうか?それは「直接発注の獲得」と「営業力の強化」です。
下請けから直接受注への転換で直面する課題
下請け企業として仕事をしていると、営業活動をしなくても次の仕事が自然と入ってきます。待っていれば仕事が来る安心感があります。しかし、下請けから脱却しようとした瞬間、状況は一変します。砂漠に放り出されたような感覚に襲われるでしょう。
「お客様をどこで見つければいいのか?」 「どの顧客が自社に注文してくれる可能性があるのか?」 「見込み客を見つけても、実際に注文してもらうにはどうすればいいのか?」
こういった課題に向き合わなければなりません。
インターネット時代の営業手法
かつては、足で稼ぐ飛び込み営業やダイレクトメール、電話帳広告など、様々な営業手法がありました。しかし、今はインターネット時代。特にコロナ禍以降は個別訪問が難しくなり、従来の営業手法だけでは限界があります。
そこで効果的なのが、検索エンジンを活用した集客です。発注を検討しているお客様が「どこに注文しようか」とキーワード検索した際に、あなたの会社のホームページが上位表示されることが重要です。そこからクリックしてもらい、ホームページを見てもらい、そして問い合わせや見積もり依頼をいただく——このような流れを作ることが現代の営業戦略の要となります。
一見勝負の世界で勝ち抜くために
下請け企業の場合、一度取引が始まれば継続的な仕事が期待できます。しかし、直接受注のビジネスは「一見勝負」の世界です。特に住宅建設などのケースでは、お客様は一生に一度の買い物をする方がほとんど。リピート注文は期待できません。
この一件一件の勝負を制するために、ウェブサイトを効果的に活用することが鍵となります。具体的には以下の二つのステップが重要です:
- キーワードで上位表示させる(SEO対策)
- 問い合わせをもらえるホームページ作り
SEO対策はいわば「リーチを獲得する」行為です。新聞なら配布、テレビならCM枠を購入するのと同じです。そうして見に来てくれたお客様に対し、次のステップである「問い合わせ」につなげる必要があります。
問い合わせを生み出すホームページ設計
問い合わせを獲得するためには、ホームページ設計が極めて重要です。まず考えるべきは「誰がお客様なのか」という点です。
- 個人のお客様なのか法人なのか
- 男性なのか女性なのか
- 法人ならどのような立場の方が決裁者なのか
こうしたターゲット像を明確にし、そのお客様が知りたい情報を全て用意することが肝心です。
特にBtoBビジネスでは、調達担当者が必要とする全ての情報を用意する必要があります:
- 商品の品質や特徴
- 納期の短さ
- コスト面の優位性
- 実績
- 第三者機関の認証・認定
- 強度試験の結果
これらの情報を全て揃えることで、問い合わせの確率が格段に上がります。
会社の信頼性を示す工夫
優れた商品があっても、その会社自体が信頼できなければ発注には至りません。会社の信頼性を示すために以下の情報を開示することが大切です:
- 社長の挨拶・ビジョン
- 会社の沿革・実績
- 公的認証・認定・資格
- 社員の資格や組織体制
- 企業理念・社是・ミッション
- 事務所や建物の外観写真
- 所在地・地図情報
- 取引銀行・資本金・企業番号
特にBtoBビジネスでは「会社が実在しているか」という点が極めて重要です。写真による「実在証明」が効果的です。社屋の写真、オフィスの様子、社長の顔写真、社員の写真などを掲載することで、安心感を与えられます。
スタッフ紹介ページでは、お客様と直接やり取りする可能性のあるスタッフを一人ひとり紹介することも効果的です。お客様は「どんな人が対応してくれるのか」という不安を持っています。笑顔で清潔感のある写真を使い、朗らかな印象を与えることで、問い合わせのハードルを下げられます。
まとめ:不安を解消することがポイント
ホームページで問い合わせを獲得するための最大のポイントは「お客様の不安を全て解消する」ことです。
- 会社が実在しているかという不安
- 商品・サービスの品質への不安
- 対応する人への不安
これらを全て解消できるホームページ設計ができれば、直接受注獲得への大きな一歩となるでしょう。
下請けから脱却し、直接受注を獲得するための道のりは決して平坦ではありません。しかし、正しい戦略と効果的なホームページ活用によって、その道を切り開くことができるのです。