
<目次>
・下請け構造の問題点とは
・直接取引を増やすための戦略
適切な顧客層を狙う
ウェブサイトを最大限に活用する
・ホームページで信頼を構築する重要ポイント
専門性を明確に示す
実績を写真付きで紹介
会社情報を詳細に公開
スタッフ紹介を笑顔で
問い合わせ対応の徹底
・実現可能な目標設定と社内の意識共有
下請け脱却への道 – 経営者として自立するためのウェブ戦略
元請けからの仕事に依存する下請け構造から脱却し、直接取引を増やしたいと考える経営者は少なくありません。価格決定権がなく、厳しい品質や納期を要求されながら、利益は圧迫されるという現実。「このままでは会社の将来性がない」と悩む経営者に向けて、実際に下請け脱却に成功した企業の事例から学ぶ戦略をご紹介します。
下請け構造の問題点とは
下請け企業の最大の課題は、価格決定権がないことです。元請けは自社の利益を乗せて最終顧客に販売するため、下請け企業には厳しい価格設定を強いられます。また、元請けは一流企業のイメージに合った品質を求めながら、低い価格での納品を期待します。
さらに、元請けの作業服を着用し、元請けの社員として振る舞うことも少なくありません。見積もり作業から顧客との打ち合わせまで全て担当するにも関わらず、守秘義務契約条項が契約書に記載され、自社の導入実績として公表できないというジレンマも抱えています。
直接取引を増やすための戦略
1. 適切な顧客層を狙う
大手企業との直接取引を狙うのではなく、大手の元請けが対応しないような中小規模の顧客を狙いましょう。これらの企業は、大手との取引では高コストになることを理解しており、地元の専門業者と直接取引したいと考えていることが多いためです。また、元請けさんとの取引にも影響が出ません。じわじわと、秘密裏に直請け体制への移行を進めることができます。
2. ウェブサイトを最大限に活用する
顧客獲得のカギとなるのがウェブサイトです。営業マンが足で稼ぐ時代から、インターネットで探す時代へと変化している今、ホームページは営業の窓口となります。下請け脱却に成功したある企業は、月に20件以上の見積もり依頼が入るホームページ作りに成功しています。
3. ホームページで信頼を構築する重要ポイント
専門性を明確に示す
検索エンジンで上位表示されるキーワード戦略と共に、その工事の専門家であることを強調しましょう。顧客は「専門でやっている」企業に安心感を抱きます。
実績を写真付きで紹介
過去の工事実績を写真と共に詳しく紹介することで、顧客の不安を取り除きます。可能であれば実績一覧表も作成し、小規模な案件も含めて掲載しましょう。小さな案件から大きな取引に発展することもあります。
会社情報を詳細に公開
社長の顔写真と挨拶文、会社概要、保有資格や許認可証(できれば写真付き)、社屋の写真、沿革など、会社の実態が伝わる情報を惜しみなく公開しましょう。これらは会社が継続的に存在していることの証明となり、顧客の安心感につながります。
スタッフ紹介を笑顔で
どんなスタッフが対応するのかという顧客の不安を解消するため、スタッフの顔写真付き紹介を掲載しましょう。笑顔の写真と専門性が伝わる背景・小物を使うと効果的です。
問い合わせ対応の徹底
電話での問い合わせは受注率が高いため、電話対応の体制を整えましょう。社名と名前を名乗り、明るく対応することが基本です。問い合わせ情報を確実に担当者に伝える仕組みも重要です。
実現可能な目標設定と社内の意識共有
下請けから元請けへの転換は一朝一夕には実現しません。インターネットからの受注率は1〜2割程度と想定し、長期的な視点で取り組むことが重要です。また、リピート顧客の獲得を意識し、一度の取引で終わらない関係構築を目指しましょう。
社長が「元請け中心にシフトする」という方針を社内で共有し、直接取引のメリットを社員に説明し、納得してもらうことも重要です。クレーム対応も直接行うことで、より柔軟な対応が可能になり、最終的には顧客満足度の向上につながるでしょう。
下請け構造から抜け出し、自社の価値を最大化する経営へシフトすることは、会社の将来を左右する重要な決断です。今日からできる小さな一歩が、明日の大きな変化につながるでしょう。
次回からは、それぞれのトピックを詳しく取り上げてまいります。