
受注確率が高い、電話でのお問い合わせ案件
ホームページからの問い合わせ方法には、フォームだけでなく「電話」という重要な選択肢があります。特に即時対応が求められるサービスや、相談内容が複雑な場合、訪問者は電話での問い合わせを好む傾向にあります。さらに、電話でのお問い合わせは、メールでの問い合わせに比べて、圧倒的に受注確率が高い傾向にあります。ここでは、ホームページが電話問い合わせを獲得しやすくし、新規引き合いを増やすための具体的な施策を紹介します。
1. 電話番号の効果的な配置
電話番号の配置は、電話問い合わせ数に直結する重要な要素です。
効果的な配置場所:
- サイト全体の右上に固定表示する:どのページを見ていても電話番号が目に入るようにします
- トップページのファーストビュー内に大きく表示:サイトを開いた瞬間に電話番号が見えることが重要です
- 各ページのフッター部分にも再掲:ページを最後まで読んだ後でも電話できるようにします
- モバイル表示では画面下部に固定表示:スマホユーザーが簡単にタップして電話できるようにします
ホームページの中には、電話番号が「会社概要」ページにしか掲載されていないケースがあります。これではユーザーが探さなければならず、機会損失につながりますから、ぜひ、大きくフッタ部とヘッダ部に記載しましょう。
2. 固定電話番号の信頼性の活用
固定電話番号は携帯電話番号よりも圧倒的に信頼性が高いと感じられます。携帯電話番号だけだと、オフィスや店舗が固定した場所に存在する証拠とならないため、一抹の不安を閲覧者が感じ、問い合わせや訪問を躊躇する可能性が高まります。固定電話番号の取得は、多少のコストがかかってもぜひ行ってください。フリーダイヤルにすると、さらに問い合わせが増えます。
固定電話の信頼性:
- 市外局番から地域性が伝わり「この会社は地域に根ざしている」という印象を与えます
- 「実際のオフィスがある会社」という印象を与え、一時的な事業者ではないことを示唆します
- 万が一の時に「追跡可能」というイメージがあり、安心感につながります
携帯電話だけでなく固定電話番号も併記することで、特に新規開業の事業者に対する信頼性が高まります。IP電話でも市外局番のある番号を取得できるサービスもあります。
3. 小規模案件にも対応することを明示
電話をためらう大きな理由の一つに「自分の案件は小さすぎるのでは?」という不安があります。これを解消するための工夫が必要です。
小規模案件対応をアピールする方法:
- 電話番号の近くに「1台だけでも大歓迎」「お見積りだけでもお気軽に」などのメッセージを添える
- 実績一覧に小規模案件(例:電話機1台の設置など)も交えて掲載する
- 「よくある質問」に「最低注文数はありますか?」という質問を設け、「1台から対応可能」と回答する
例えば、電話機の設置会社であれば、実績一覧に「1台だけの設置」案件と「100台の大規模設置」案件の両方を掲載することで、「どんな規模でも対応してくれる」という安心感を与えられます。
初めての問い合わせで、見込み客は「うちの相談を断れたらどうしよう」という漠然とした不安を抱えています。これを払拭しましょう。
4. 電話特典やインセンティブの提供
電話で問い合わせるメリットを明確にすることで、アクション率が高まります。
電話特典の例:
- 「電話予約で〇〇料金無料」「電話での問い合わせで初回割引」などの特典
- 「電話なら即日対応可能」など、スピードメリットの訴求
- 「電話で相談いただくと、より詳細なご提案が可能です」など専門的なアドバイスを強調
これらの特典は、電話番号の近くに配置すると効果的です。電話をかけるメリットを提示し、メールよりも電話での問い合わせを歓迎します。
5. 営業時間と対応可能時間の明示
「今電話しても出るのだろうか」という不安を解消することが重要です。
時間明示のポイント:
- 電話番号の近くに営業時間を明記する
- 「平日9時〜18時対応」など具体的な時間を示す
- 「土日も対応可能」「24時間対応」など、特別な対応時間があれば強調する
- 「18時以降は携帯電話に転送されます」など、営業時間外の対応も明記できると理想的
特に緊急性の高いサービス(修理・トラブル対応など)では、この情報が問い合わせ数に大きく影響します。
6. 電話対応者の顔写真と名前の掲載
「電話をかけたら誰が出るのか」という不安を解消するために、対応スタッフの情報を掲載します。
人的要素の見せ方:
- 電話対応スタッフの顔写真と名前を電話番号の近くに掲載
- 「お電話は○○が対応いたします」というメッセージを添える
- スタッフ紹介ページで電話対応者の人柄や専門性をアピール
- 「女性スタッフ対応」「○○地域出身」など、親近感を持ってもらえる情報を加える
人の顔が見えることで、「知らない誰かに電話する」という心理的ハードルが下がります。
あるクライアントでは、受話器を持った担当営業の顔写真を、電話番号のすぐ右に掲載し、成果を高めた事例があります。誰が電話に出るのだろうか?という「不安」を解消してください。
7. 「クリックで電話」機能の最適化
スマートフォンユーザーのために、タップするだけで電話がかけられる機能を活用します。
最適化のポイント:
- 電話番号にリンクタグ(tel:リンク)を設定する
- スマホ表示では電話ボタンを十分に大きくし、タップしやすくする
- 「タップで電話をかける」など、明確な行動指示を添える
- 通話料金について「通話料無料」などがあれば強調する
特に高齢者をターゲットにしたサービスでは、このワンタップ機能が問い合わせ数に大きく影響します。また、外出先で移動中などだと、電話番号を打ちにくいことも多くあります。ワンタップは便利なので、まだ設置されていなければぜひ設置しましょう。
実践的なアプローチ:業種別の電話問い合わせ促進例
修理サービスの場合
「設備の故障、今日中に対応します!」というメッセージと共に、大きな電話番号と「すぐに解決!今すぐお電話ください」というCTAを配置。実績一覧には「○○時間以内に解決した件数」などを記載し、迅速対応をアピールします。なお、「今日中に対応」と載せると、今日中に修理を約束しているかのように見えてしまって、販売側として躊躇しますが、「対応」の内容は「訪問」だけでも十分対応です。顧客は、専門家に見てもらって、すぐに直るのか、直らないとしたらどのくらいで直るのかの見通しが立てば、安心できるのです。
士業(税理士・行政書士など)の場合
「初回相談無料」「電話での簡単なご相談は無料」などのメッセージと共に電話番号を掲載。「○○士が直接対応します」という安心感も提供します。
小売業の場合
「商品の在庫確認はお電話で!」「お取り置きは電話で承ります」など、電話ならではのメリットを明示。特に取り置きなど即時対応が必要な場合は、電話の優位性を強調します。
まとめ
電話問い合わせを増やすポイントは、①電話番号の視認性を高める、②信頼性を示す要素を加える、③小規模案件も歓迎する姿勢を示す、④電話するメリットを明確にする—これらの要素を組み合わせることです。特に開業したての個人事業主にとって、電話での問い合わせは商談成約率が高い傾向にあるため、これらの施策を実践して「電話が鳴る」ホームページ作りを目指しましょう。
小規模事業者の強みは、専門性を持った「人」です。電話という直接的なコミュニケーション手段を活かして、大手には真似できないパーソナルな対応で差別化を図りましょう。