最近、お客様の同業で、本社が関東や関
西、東海などにある、大きな会社の福岡
営業所が多数進出してきています。
東京や大阪で儲かっているのだから、九
州くんだりまでこなくてもいいのにと思
うのですが、東京、大阪、名古屋の次は、
やはり福岡に営業所を出されるケースが
多いですよね。
これにどうやって対抗するか。以前の勤
務先が、なかなか頑張っていましたので、
振り返ってみて、みなさんの参考になれ
ばと思います。
異業種の取り組みはきっとヒントになる
と思いますので、思い出してみたいと思
います。
かつての勤務先は、中古車情報誌の出版
社でした。
今は東京と愛知に本社がある大手出版社
の2誌しかありませんが、1992、3年頃と、
いまから20年以上も昔は地元誌が2誌ある
のみでした。
私はそのうちの1つに勤めていました。
他県の異業種から進出してきたり、地元
で個人が始めるなどといったことがよく
起こっていましたが、長続きしませんで
した。あるとき愛知の大手が九州版を発行
する時は、一番の驚異でした。
対抗策は、九州版を佐賀や熊本、大分、
長崎などの各県版に分けて、地元密着度
を高める戦略を取りました。
つまり、大手企業が最も嫌がる「手間」
がかかることをやることで、差別化を図
ったのです。
手間はかかるのですが、営業面では地元
色を強く出せるのでお客様との親近感は
高まるし、何しろ雑誌としては印刷コス
トを最適化できるので、じつは利益がぼ
ちぼち出てました。
当時私は全誌の発行を管理していました
が、ノウハウもシステムも手順も全誌共
通でいけるし、それまで月に1回だった締
め切りも、月に何度も来ることで業務の
平準化はできるしで、意外に現場はスム
ーズに回せていました。
結局、システムによる経費削減も大きく
図られ、儲かり過ぎたことで経営陣の混
乱で社員が全員退社して別会社ができた
という混乱はあったものの、戦略は新会
社に引き継がれ、中国・四国地区への進
出の大きな武器になりました。
地元に住んでいる者にとって、遠くに本
社がある会社と、地元に本社がある会社
で、商品の質に差がなければ、地元の方
を選ぶものです。
なぜなら、他県から来た企業は、うまく
行かなければ、撤退すればいいと考えて
いますが、地元に本社がある企業は、逃
げ場がありません。
現実には資金力や商品力、販促力の差が
あり、なかなか厄介ですが、彼らにでき
ない、地元の企業にしかできない何かを、
やってみませんか。
ピンチはチャンスと言いますし。自社の
商品力や営業力を磨くチャンスです。
地元の企業には、ぜひ勝っていただきた
いと思います。
私は、昔も今も、地元企業を全力で応援
しています。
(124号メルマガより)